円形脱毛症

 ストレス、風邪、睡眠不足、過度な疲労、胃腸炎、出産やケガなどをきっかけとして頭髪に「自己免疫反応」が起こり髪の毛が抜けます。硬貨のような円形の脱毛範囲が小さく1か所だけといった軽症の場合から頭髪がすべて抜け、さらに眉毛やわき毛などの体毛までもすべて抜け落ちるような重症の場合もあります。外用薬や内服、光線療法などで治療を行います。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

 手のひらや足の裏などに多発する、膿がたまった水疱が主症状です。できはじめにかゆみを伴う事が多く、爪が変形したり、関節の痛みが出現したりする場合もあります。水泡からの浸出液には細菌やウイルスなどの病原体は見られませんので他人に感染させるということはありません。はっきりと原因が分かってはいませんが、喫煙や扁桃炎や歯周炎などの慢性的な炎症、歯の詰め物などの金属によるアレルギーが関与していると言われています。
 塗り薬や飲み薬、光線療法などの治療を行いますが、禁煙などに関与していると思われる因子を取り除くことも大切です。

汗疱(かんぽう)

 何らかの原因で汗の管が詰まり汗が皮膚の中に詰まってしまうことが原因と言われています。ほかにも、自律神経の失調やストレス、金属アレルギー、アトピー性皮膚炎と関係があるともいわれています。普段から手のひらに汗をかきやすい人が発症しやすく季節の変わり目に発症しやすい傾向があります。手のひらや足の裏、手足の指にかゆみを伴う1~2㎜の小さな水疱ができ、さらに水ぶくれが破れて皮膚が炎症をおこすと、汗疱性湿疹となり、強いかゆみを感じます。真菌や細菌によるものではないので、他人に感染させる心配はありませんが、一見して水虫と判別しづらい場合がありますので皮膚科では顕微鏡による真菌検査をする場合があります。

蕁麻疹(じんましん)

 突然何の前触れもなく赤く腫れぷっくりと蚊に刺されたようなふくらみがたくさんできたり、ミミズ腫れのような症状が皮膚に出現したりする蕁麻疹ですが、かゆみを伴ってはいるものの、数時間で消える、消失と出現を繰り返えすといった点が湿疹と異なる特徴です。
 原因は、食べ物やダニ、ホコリ、花粉などのアレルギーによるものとそれ以外の原因によるものがあります。アレルギー以外の原因としては熱い寒いなどの寒暖によるものや皮膚を引っ搔くといった機械的刺激や、ストレス、運動や精神的な緊張による発汗でも発症することがあります。特定のものを食べて数分から一時間程度で起こる原因の分かりやすいケースもありますが、原因がはっきりしない場合も多いです。いずれの場合も蕁麻疹の発生にはヒスタミンという物質がかかわっているためにヒスタミンを抑える薬の服用などにより治療します。

帯状疱疹(たいじょうほうしん)

 幼少期にかかった水ぼうそうのウイルスが成人になっても体内の神経節に潜伏しています。加齢やストレス、過労などにより免疫力が低下することで再び活動を始め、神経を伝わり皮膚に到達して発症します。体の左右どちらかに痛みを伴う赤い斑点と水ぶくれが多数集まって帯状に集まった様子からこの名前が付いています。多くは胸から背中にかけて発症し、目の周りなど顔面にも好発します。
治療は、ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス薬を内服します。増殖が進む前のなるだけ早期の服用開始が効果的です。また、痛みに合わせ、痛み止めや神経の回復を助けるビタミンB12を内服することもあります。3~4週間ほどで治癒しますが、約20%の方に3か月以上痛みが続く帯状疱疹後神経痛が起こるとされています。また、顔面神経麻痺や耳鳴りや難聴めまい、視力の低下を引き起こすこともあります。
 発生しやすい要因の一つに加齢がありますので、予防には50歳以上の方を対象にワクチン接種が行われています。

乾癬(かんせん)

 くっきりと盛り上がった赤いブツブツが出る症状の皮膚疾患です。慢性的に推移することが多い病気で、肘頭や膝からすねにかけてや、頭髪の生え際などの部位に症状が出やすく、かゆみがある場合も無い場合もあります。原因には遺伝要素、環境因子、免疫学的要因が関わっていると推定されており他人にうつすことはありません。皮膚症状以外では、関節が痛くなることがあります。治療は、塗り薬が基本で、それに飲み薬や光線療法、注射を組み合わせた治療を行います。

光線療法(エキシマライト)

光線療法とは紫外線の免疫抑制作用を利用して、過剰反応を起こしている皮膚の症状を沈静化させる治療法です。エキシマライトとは、これまでの光線療法に比べ、より効果が高いと言われている短い波長の紫外線を患部に照射する方法です。円形脱毛症、尋常性乾癬、掌蹠膿疱症、白斑、アトピー性皮ふ炎などに効果があります。

資料:エキシマ光線療法を知っていますか?